フランチャイズ本部のメリットをお読みいただいて、 「これってメリットじゃないだろ?、、、」 とお感じになった方もいらっしゃると思いますが、そうではありません。 あのメリットがあるからこそフランチャイザービジネスは魅力的なのであり、 「成功している会社は数多くある」 と言う事を知っておいていただけたらと思います。 しかし、フランチャイズビジネスにもデメリットはあります。 それでは、フランチャイズ本部のデメリットについて、3つのポイントを挙げてみたいと思います。 フランチャイズ本部のデメリット 1.継続的なノウハウ開発・加盟店指導に人員・経費が必要 フランチャイジー(加盟店)からロイヤルティーを徴収するわけですから、これは当たり前の事です。 当たり前の事ではありますが、一筋縄ではいきません。 これにはかなりのパワーを要します。 私も数多くの辛酸をなめてきました。 フランチャイズ本部構築を計画している皆様は、覚悟が必要です。 事業の根本をなすノウハウ以外は時代の変化に対応するために、新しいものを求め、常に変化していなればなりません。 しかし、本部人員のレベルアップが伴わないと、せっかく開発したノウハウが生かされないばかりか、逆の効果をももたらすことだってあります。 そうなんです、「人の数がいればいい」というものではありません。 酷いところは、加盟店指導員(SV)がいない、、、なんてチェーンもありますが。 では、どうすればいいのか?、、、、、 大人の事情があって、ここではあまり書く事ができないことをお許しください。 2.一部加盟店の状況がチェーン全体のイメージに影響する 直営店だけでしたら「こうやれ!!」と命令し、進捗状況を確認し都度是正をかければ済むのですが、加盟店の場合はそうはいきません。 加盟店(フランチャイジー)は独立した事業体なのですから、社員に対してのように本部からの「指示」「命令」はできません。
上記のような、チェーンのイメージを棄損するような店の例を挙げたらキリがありません。 では、上記1と同様、どうすればいいのか? 結論を申せば、フランチャイザーとして事業を立ち上げる段階で、
事以外にありません。 でもハッキリと言えることは、 「加盟店は生きるために、店舗を経営している」 という事実を、一番のベースに置かなければならないと言う事です。 よく、「加盟店が言う事を聞かない、、、」という相談を受けますが、それに対しては、 「加盟店が言う事を聞かないのではなく、加盟店に必要な指導と、必要な情報提供と、必要な対策を講じることができない本部にこそ問題があるんですよ、、、」 と、説明しています。 チェーン本部として、一般企業以上の社会的責任を負っているという事を、絶対に忘れてはなりません。 3.不振店の対応に多額の経費と労力が費やされる これは悩ましい事です。しかし、避けて通れない「事実」です。 7-11ですら、既存店の前年比をクリヤーするのが大変なご時世なのですから。 ※ 「おにぎり100円セールが始まったら、前年比がヤバい」という噂もあるくらい。 直営店なら、スクラップアンドビルドで移転、、、という事もそう難しくありませんが、加盟店となると簡単にはいきません。 通常、不振点対策のための援助方法等については、フランチャイズパッケージの中で仕組みとして確立し、加盟契約書の条文で明示するのですが、万全な内容を織り込むのは不可能です。 私も何度となく、この不振店対策に奔走した経験がありますが、当然の事ですが簡単ではありませんでした。 不振店対策についてどこまで英断を以て対応できるのかが、チェーン本部としての本気度が試されるのです。
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今回は前回に引き続き、フランチャイズ本部のメリット・デメリット第二弾です。 前回のブログではフランチャイズ本部のメリットとして次の点を挙げました
どれも大切なメリットですが、あと3つ、主だったメリットがあります。 4. 加盟金・ロイヤルティの徴収により安定した経営ができる 「これこそがフランチャイズビジネスの醍醐味」 加盟金やロイヤルティーは、フランチャイズビジネスにとって根幹をなすものですから、非常に大きなメリットだといえます。 しかし、加盟金とロイヤルティを徴収するという事は、フランチャイジーに対し、十分な対価を与えること必要であることは言うまでもありません。 フランチャイザーに求められる対価とは、フランチャイジーが成功するためのノウハウの提供です。 成功するためのノウハウの提供には、持続的に再現が可能となるように体系化していなければならず、それは「フランチャイズパッケージ」として確立しておかななければなりません。 加盟金は、そのチェーンに加入するための「手付金」みたいなもので、脱退するときには返還されない事が多く本部の実質的な収入になります。 特に昨今では、加盟金等の内訳の開示を求められることも多くなっていますので、加盟金を適当に設定してはなりません。 またロイヤルティーは、売上や粗利益に乗じて課せられる「上納金」のようなものです。 私がフランチャイジー(加盟店)として店舗経営を行っていたとき、 「これ程のダメチェーンに、売り上げの数%ものロイヤルティーを支払う必要はあるのだろうか?」 と、いつも頭の片隅でいつも思っていたものでした。 「えっ?そんなこと納得して加盟契約を締結したのでは?」 と指摘されると思いますが、、、、おっしゃる通りです。
若気の至りで何の下調べもせず、本部の言われることを鵜呑みにして加盟契約をした自分に責任があるのですが、今となってみれば、「いい勉強をさせて頂いた」とだけ言っておきます(笑 5.環境変化に対応した展開ができる これは、チェーンとしてのブランドの多角化や商品の変化などによる、リスクの分散化をさします。 リスクが分散化されれば、永続的な事業運営が可能となるため、フランチャイザーとしてのメリットといえます。 6.販売力の増強により競争力が強化される これも、フランチャイズビジネスにとって大きなメリットと言えます。 単純に考えれば、チェーン規模が増えれば売り上げは増大し、結果として業績が拡大されることなります。 しかし、チェーン規模が増えれば販売力が増強され、自動的に競争力が強化されると思ったら大間違いです。 チェーン規模が大きくなっても、継続的なイノベーションが伴っていなければ、競争力は強化されません。 逆に、
などという、本末転倒な最悪のシナリオをたどるリスクがあり、そういった末路をたどるフランチャイザーもあるという事を理解しておくことが重要です。 フランチャイズビジネスで大切な事は、明確な事業計画(理念)と、その事業に即したフランチャイズパッケージの構築と運用が最も重要なのです。 如何でしたか? 「メリットメリットと言っている割には、メリットらしさが感じられない??」 と感じている方もいらっしゃると思います。 でも、フランチャイザー事業は大きなメリットを生かせる事業ですので、是非シーズ(種)をお持ちでしたら、フランチャイザーを新規事業として検討してみてはいかがでしょうか? メリットとデメリットは諸刃の剣。 次回は、フランチャイズ本部のデメリットを書いていきたいと思います。 もしあなたがラーメン屋店を経営していたとします。 そのラーメン屋店に掲げる暖簾は
もしその店舗が、お客様に支持されている(儲かっている)ラーメン屋店だったとしたら、この事業をもっと大きくしたいと考えませんか? そして、そのような付加価値の高いシーズ(種)があるのでしたら、フランチャイザーとしてフランチャイズ事業に乗り出すと、成功する確率が高くなると言えるでしょう。 しかし、やみくもにフランチャイズチェーンを立ち上げても、成功の確率は低いでしょう。 世の中そうは問屋が卸してくれません。 また、フランチャイザーのメリットとデメリットを理解していないと、フランチャイザーを目指すことはできません。 今回のブログでは、フランチャイザーのメリットとデメリットについて、簡単にさわりの部分をご案内していきたいと思います。 1.資本力が小さくても他人の経営資源を活用できる。 多分、フランチャイザーを目指すにあたって最大のメリットは、この部分でしょう。 自己資金が少なくとも、付加価値の高いシーズ(種)を持ち合わせているのであれば、そのノウハウを生かしてフランチャイズチェーンを構築することは、決して夢ではありません。 ただしフランチャイザーは、加盟店の投資(他人資本)によって事業を拡大するというビジネススキームなので、一般的な企業よりも増して果たすべき社会的責任は重大になるのは言うまでもありません。 そのためには、
上記のフォーマットを信頼し、フランチャイジーの将来性を期待し、加盟希望者は自己資本を投下するのですから。 2.急速な多店舗展開、広域展開が可能になる。 では、何故コンビニはこんなにも多くの店舗展開が可能なのでしょうか? それは、40年にわたり培ってきた様々な運営や店舗開発に関するノウハウがあったことは勿論ですが、それ以上に 市場調査を基に練られたドミナント出店戦略 (この頃、無計画なドミナント出店が世間から非難を浴びていますが、、、) 最適化された物流システム があったからこそ、成し遂げられた技なのです。 多店舗展開を図ることで得られるメリットは沢山あります。 しかし、質を伴わない量の拡大は、自分の首を絞めることにつながることを理解してください。 3.商品やデザイン、提供するサービスを統一する事ができる。
他の人はどう思うかもしれませんが、私的には、この部分がフランチャイザーとして最もうま味のある要素だと思っています。(俗にいう「美味しい部分」です) また、提供する商品やデザイン等を統一することで、お客様に安心感を与え、一層のチェーン規模の拡大が期待できますので、この点は、フランチャイズビジネスの醍醐味ともいえるでしょう。 次回はフランチャイズ本部のメリット(其の二)を予定します。 ご質問がありましたら、お気軽にメッセージ残してくださいね。 お時間のある方は、是非お立ち寄りを!! いろいろとフランチャイズビジネスについて語ってきましたが、肝心かなめの「フランチャイズシステム」について触れていませんでいた。 大変簡単ではありますが、持論を展開したいと思いますので、お時間のある方はお付き合い頂けたらと思います。 1.フランチャイズビジネスとは 日本フランチャイズチェーン協会では、フランチャイズシステムについて次のように定義しています。 「フランチャイズとは、事業者(「フランチャイザー」と呼ぶ)が他の事業者(「フランチャイジー」と呼ぶ)との間に契約を結び、自己の商標、サービスマーク、トレード・ネームその他の営業の象徴となる標識、および経営のノウハウを用いて、同一のイメージのもとに商品の販売その他の事業を行う権利を与え、一方、フランチャイジーはその見返りとして一定の対価を支払い、事業に必要な資金を投下してフランチャイザーの指導および援助のもとに事業を行う両者の継続的関係をいう」 つまり、フランチャイズビジネスとは、本部と加盟店が同じ志を持つ「共同事業の昇華」だといえます。 過去のブログで何度か書きましたが、「共同で事業を営む」のであり「共同で経営する」のではありません。 つまり、フランチャイザー(本部)・フランチャイジー(加盟店)ともお互いに「独立事業体」であるということをしっかりと認識しないと、後でボタンを掛け違うことになります。 ようは、フランチャイザーとフランチャイジーはフランチャイズシステムでつながった「運命共同体」だといえるのです。 2.フランチャイズビジネスの社会的意義 生活に欠かせない存在となったコンビニエンスストアをはじめ、フランチャイズビジネスが果たす社会的意義は非常に大きくなっています。 (1) 事業機会の増大 フランチャイズへの加盟によって、まったくそのビジネスを知らない人でも成功することが可能となりまます。 ※ 成功が可能ではないですね、、、失敗するリスクが軽減されると言う事です。 中には、フランチャイズシステムを上手く利用し、独自の方法で事業を拡大し上場を果たした企業すらあります。 ※ 例えば、ホットモットを展開するプレナスなど、多数。 (2)革新的なビジネスへの参入で経済全体が活性化 独自のノウハウを持っているが少ない資本しか持たないフランチャイザーが、運命共同体であるフランチャイジーにそのノウハウを提供し事業を委託することで、急速な事業の拡大を期待することができ、地域経済の発展にも寄与することとなります。 (3)中小企業や個人事業主の近代化の促進 フランチャイザー独自の効率的な経営ノウハウによって、中小企業や個人事業主が独力で行うよりも迅速かつ効率的に事業を拡大し、近代化することができます。 (4)雇用の受け皿 店舗での従業員増加といった就業者の量的増加に加えて、「自分の事業である」という自覚に基づく志気の高い就業者、つまり生産性と質的な増加はフランチャイズシステムの大きな意義といえます。 いろいろと意義を書きましたが、フランチャイズシステムでは、フランチャイザーにもフランチャイジーにも等しくビジネスチャンスが与えられているといえます。 しかし、いい事ばかりではありません。 フランチャイズシステムには「質」が求められます。 もしかしたら何処かに落とし穴が潜んでいることもありますので、十分にご注意を!! 次回からは、フランチャイズビジネスのメリットデメリットについて、少しだけ触れさせていただきます。 一番悩ましく難攻不落の「フレンドリーサービス」です。 そうです、接客です。 「フレンドリーサービス」は、ただの接客ではありません。 フレンドリーサービスをネットで検索すると、「気持ちのよい接客」と出てきます。 そうです、接客の前に「気持ちのよい」がつくのです。 さて、「気持ちの良い接客」とは何でしょう? 私は、相手の立場に立った接客こそが「気持ちの良い接客」だと思っています。 私が某チェーンのフランチャイジー(加盟店)として店を経営していたとき、最も心がけていたのは「相手の立場に立った接客」でした。 そもそも、私が加盟していたチェーン本部には基本四原則なる考え方がないばかりか、まともな研修やマニュアルすら無し。 フランチャイザー(本部)の事もフランチャイズ契約の事もきちんと調べもせず、 「フランチャイズチェーンに加盟すれば、何とかなるだろう?」 と、若気の至りと勢いで安易に加盟してしまった私にとってできたことは、この「相手の立場に立った接客」しかありませんでした。 翻って、私が某コンビニチェーンのSVを担当していた頃、 この「相手の立場に立った接客」を徹底させるために、オープン前研修の際に最も時間を割いたのが「お客様への接し方」でした。 本部から与えられた「接客マニュアル」は四角四面のマニュアルで心がこもっていないと感じていましたので、加盟店経営の時に培った(苦労した)経験を活かし、手作りでマニュアルを製作して、オープン後も担当店のアルバイトさんを定期的に集めてプチ研修を開催したものでした。 以前のブログで ・フランチャイズチェーンに加盟したから安心などという保証は何処にもない。 ・フランチャイズシステムといってもリスクはつきもの。 と書きましたが、基本四原則の中で最もリスクが高いのは、このフレンドリーサービスであると思っています。 お客様への接し方ひとつで、売上は変わってきます。 しかし お客様への接し方ひとつで、培ってきた信頼が一瞬にして崩れることがあります。 変な言い方ですが、多少の欠品やクリンリネス不足なんて、フレンドリーサービスでいくらでもカバーできます :冗談です (笑 しかし、鮮度管理は別です:当たり前です 普通のフランチャイザーなら、フレンドリーサービス徹底のための施策(研修やマニュアルなど)を提供する事は可能でしょう。 逆にフレンドリーサービスに関して具体的な施策が示されないフランチャイザーには大いに問題がありますので、そういうチェーンには加盟しない方が無難です。 (提供できないようなフランチャイザーなら、直ぐにでもフランチャイズ事業から撤退することをお勧めします) お客様に満足を与える為のフレンドリーサービスこそが、フランチャイズ事業成功の近道だと私は思っています。 「品揃え」とは何だと思いますか? Googleで検索してみると 「品揃え」とは。商品を用意すること。また、その種類」(引用 goo国語辞書) と出てきます。 そうです、 品揃えとは商品を用意することなのですが、用意するだけでは「品揃え」とはいえません、 基本四原則で言う「品揃え」とは「欠品防止」を指すのです。 欠品とは?? 商品がないこと?、、、 確かにそうですが、それだけではありません。 欠品とは? ・ お客様が欲しいときに ・ 欲しい(目的とする)商品が ・ 欲しいだけ確保されていないこと 棚に商品があっても、お客様が目的とする(欲しい)商品がなければ欠品と同じ。 つまり、欲しい商品が欲しい数だけ陳列されていなければならないという事なのです。 翻って品揃えとは? むかし、大手GMSのD社の経営が傾きかけてきたときよく聞いた言葉。 「モノは沢山陳列されているけど、欲しいモノがない」 これがお客様の声であり、品揃えの真髄です。 当時、私もD社の売り場を何店か見て回りましが、まさにその通り。 魅力のある、欲しい商品は殆ど並んでいませんでした。 それでは品揃えの為には何をすればいいのでしょうか? それにはフランチャイザー(本部)としての役目とフランチャイジー(加盟店)の役目が明確にあります。 フランチャイザーの大きな役目は、マーチャンダイジングの精度アップと売れる商品の仕入れと開発(PB開発)が第一です。 またフランチャイジーとしての役目は、近隣地域や競合店の情報を収集して精度の高い売上予測を行い、「積極的」な発注を行うことに尽きます。 蛇足ではありますが、 コンビニの加盟契約のロイヤリティ計算には商品廃棄高が含まれている??との考えから、廃棄ロスを恐れ積極的な発注を控えるという事実があります。 (裁判沙汰にもなっています) それはオーナーの立場としては重大な事柄ですが、、 【お客様の立場】に立って考えたら、お客様はどう感じると思いますか? お客様からすれば加盟契約の内容など知る由もなく、お店に行ったら希望する商品が十分にない、いつも欠品、ボリューム感がない。 結果、それは ストアロイヤルティーの低下 ⇒ お客様をなくす⇒売上の低迷 に繋がってしまうのです。 ※この事については私も散々悩まされました。機会があれば触れてみたいと思います。 他にも沢山ありますが、品揃えの充実は簡単ではありません。 また、一朝一夕で叶うものではありません。 品揃えを充実させる為には、本部も加盟店も不断の努力と果敢な挑戦が求められるのです。 クリンリネス 「いつもきれいになっていること。 つねに清潔感あふれる売り場作りをするということ」 その通りです。 「ちゃんと掃除して整理整頓していればいいんでしょ?簡単だよ!!」 という事では済まないのがクリンリネスです。 クリンリネスは「磨き上げられた」空間(売場)が求められ、それを五感で感じられるものにしなければならないからです。 床も、天井も、ゴンドラも、カウンターも、外壁も、犬走も、テーブルも、トイレも、照明も。 ありとあらゆるところが「磨き上げられて」いなければ、クリンリネスではありません。 従って、簡単な作業ではありません。 その昔、イトーヨーカ堂がコンビニ事業を日本国内で展開するため、アメリカのサウスランド社からセブンイレブンのライセンス契約を締結し、そうそうたるマニュアルを手に入れ、 「これで日本国内でコンビニ事業が展開できる」 と思ったのが運の尽き たった数項目以外の殆どのマニュアルは使い物にならなかったそうです。 そのうちの一つ、使えるマニュアルが「クリンリネスマニュアル」 つまり、当時は空間(売場)全てを磨き上げるという考えは日本国内にはなく、サウスランド社のマニュアルを見て、初めて「クリンリネス」なる概念を理解できたといわれています。 さて、クリンリネスの為には何をすればいいのでしょう?? 答えは簡単ではありません。 チェーン本部の持てる能力の全てを注ぐくらいの気持ちで「マニュアル化」し、実践する必要があります。 ・ いつ(時刻と時間) ・ どこを(場所) ・ 誰が ・ 何を使って(道具) ・ どのように ・ 磨き上げるか?(数値化) フランチャイザー(本部)はその方法をマニュアル化し、フランチャイジー(加盟店)はマニュアル通りに実施する事。 それが求められます。 7-11は、そのマニュアルの骨格を数十年前にサウスランド社から多額の費用をかけて獲得したのです。 そのように多額の費用を費やして、何処からかマニュアルを調達しますか? それとも、懸命に考えて具体的で効果的な仕組みを、自ら構築しますか? 多分、後者の方が実践力に長けているでしょう。 私がコンビニのSVとして担当していた時代、とても苦労したのがクリンリネスの実践でした。 そして、私がフランチャイジーとしてお店を運営していたとき、忙しさを理由に、当初一番手を抜いたのがクリンリネスです。 クリンリネスが徹底しているかどうか? よく言われる事ですが、そのお店のトイレに入れば一目でわかります。 トイレの便器はもちろんの事、床、壁、天井、照明、臭い、装飾、etc。 トイレのクリンリネスが行き届いていないところは、総じてダメです。 古いトイレでもクリンリネスは可能です。 話はそれますが、私がSVとして担当していた頃、 「トイレでは○○運動を徹底しよう!」 と宣言し、ある事を担当店全店で必死に取り組んだものです。 なぜなら、 クリンリネスの本質は、新品同様に「ピカピカに磨き上げる」事だけではありませんから。 本当に大切ですよ、、、クリンリネス 。 基本四原則の中で、最も簡単に徹底できることとして「鮮度管理」を挙げました。 さて、鮮度管理とは何でしょう? 鮮度管理とは 「顧客が満足する商品を購入できるように、製造月日を基準として、販売期限を決定して管理すること」 です。 鮮度管理は、決められたことを決められたとおりに確実に実行することが重要。 「なんだ、そんな簡単な事か??(笑」 と思ったら大間違いです。鮮度管理こそが、最も影響力の高い基本原則なのです。 例えば、食品工場で品質管理(QC)を怠り食中毒事件が発生したらどうなるでしょう? 営業停止 ⇒ 信用失墜 ⇒ 顧客離反 ⇒ 売上減少 ⇒ 倒産 この道筋が見えてくるのは間違いありません。 営業停止になっても不断の努力で復活した企業は沢山ありますが、失った信用を取り戻すのは簡単な事ではないことは容易に想像できます。 鮮度管理を疎かにして、店舗で何らかの食品事故が起こったらどうなるでしょう? 先程の工場であれば、その工場(又は企業)だけの問題で済みますが、フランチャイズチェーンではそうはいきません。 直営店・加盟店の如何を問わず、1店舗でも事故が発生したら多くの店舗に対してその負の影響(イメージ)が波及してしまいます。 フランチャイズシステムにおいて、フランチャイジー(加盟店)は独立した事業体です。 たった一店舗の不祥事が、その独立した「他の事業体」の存続を揺るがすことにつながるかも知れないのです。 それでは、鮮度管理のために店舗(加盟店・直営店全て)は何をすればいいのでしょう? ・決められた時間に ・決められた商品を ・決められた手順で 一つ一つの商品の賞味期限、使用期限、陳列期限、商品の陳腐化などを厳格にチェックし、「お客様の手にわたらないように」すればいいだけなのです。 今時のコンビニは、定められた陳列期限を過ぎた商品を販売しようとすると、POSがそれを知らせてくれます。 ※たまに遭遇しますよね。 店員さんがそそくさと冷蔵ケースに赴き、違う商品と取り換えてくれます (NG! また、一部のハンディターミナルでは、賞味期限切れの商品がどの棚に何個残っているという情報を事前に通知してくれるものもあります。 「なんだ、機械が教えてくれるのなら、少し手を抜いても大丈夫だな?」 と思ったなら、その考えは即刻改めましょう。 お客様の手に渡ってはいけないのですから。 それから「先入先出」。 「先入先出」は鮮度管理の基本です。 一般的な本部(SV)からは「先入先出」の徹底を指示されると思いますが、私は、「不用意な先入先出」には疑問を持っています。 なにせ、お客様は新しい商品を棚の後ろから強引に引きずり出して買って行きますので、回転率の高い商品(弁当類、デイリー商品など)などは、新しいものと古いものが混在してしまう事が発生するのです。 (奥に並んでいる商品から売れて、前に並んでいる商品が廃棄という結果に) 「さあ商品が届いた、検品と陳列だ!」 ではなく、先ずバックヤードで検品を行い、陳列は商品の売れ行きと頃合いを見て、タイムリー(都度陳列)に行うべきだと思っています。 (私がSV時代は、そう指導していました) 当然作業量は増えるかもしれませんが、この方が総じて廃棄ロスは減ります。 コンビニでは、1日3回発注・3回納品のデリバリーシステムが確立されています。 決まった時間に3回納品されるから決まった時間に陳列、、、では芸がなさすぎます。 ジャストインタイムの陳列に心がけてみるといいのではないでしょうか? そして、 鮮度管理の為にフランチャイザー(本部)は何をすればいいのでしょう? 「人は間違いを犯す」ことを前提に、POSなどでアラートを出すようシステム化することも重要ですが、それ以前に、 ・鮮度管理の手順を具体的に示し(マニュアル化) ・鮮度管理が確実に履行できるようなチェック方法を示し ・実際にチェックしているかどうか現場で確認する ことが肝要になります。 鮮度管理が行き届いているという事は、お客様に「安心」を提供できるという事です。 「鮮度管理なんて簡単じゃないじゃないか!」 そうです、だから鮮度管理を絶対に疎かにしてはいけません。 さて、基本四原則って聞いたことはありますか? 基本四原則 コンビニを始めとした小売業に携わっている方なら、一度は聞いたことがあるフレーズでしょう。 ところで、基本四原則って何でしょうか? そうです、商いを行うための大原則。 コンビニだけでなく、この基本四原則はどのような商売にも通用します。 基本四原則とは
鮮度管理 安心 欠品防止 品揃え クリンリネス 清 潔 フレンドリーサービス 親しみやすさ こんな簡単な事なのです。 でも、これができない。 なかなか徹底できない。 、、、というか、基本四原則など眼中にないチェーンすらあります。 (こまったもんです) 敢えて、強引に、実行しやすい順番をつけるとなると 1.鮮度管理 2.クリンリネス 3.品揃え 4.フレンドリーサービス の順になるのでしょうか? 基本四原則は商売における鉄則ともいえる掟ですので、どのような商売にも適用できますが、この基本四原則を極めることによって お客様の期待度が上がる ↓ ↓ ↓ ストアロイヤルティが向上する ↓ ↓ ↓ 売上が向上する というプラスのスパイラル状態になるのですが、基本四原則を順守するのは極めて困難。 それでは、どうすればこの基本四原則を極めることができるのでしょうか? 次回からこの基本四原則の一つ一つについて、私の独断と偏見を交えて噛み砕いて行きたいと思います。 以前相談のあった、ちょっと残念な企業のお話をひとつ その企業は関東某県で直営店を5店舗展開している老舗のお菓子メーカーで、多分、その県に住んでいる方なら誰でも知っている。 ローカルではありますが、老舗として知名度の高いメーカーです。 知人の紹介でそのオーナー様と知り合い、数年前から経営に関する情報交換をしていました。(長らく、それ以上でもそれ以下でもないお付き合いでした) そのオーナー様から突然 「今度、フランチャイズで事業を広げたいので相談に乗ってもらいたい」 との連絡をいただいたのです。 以前からそのオーナー様には 「フランチャイザーとして事業展開をしては?」 と何度も話を持ち掛けていたのですが、けんもほろろに 「その気はない、、」 と嗜まれていたのに、180度の展開に驚きつつも、先ずは話を聞かねば、、、と足を運んだのでした。 通常私共では、フランチャイズ事業展開の相談をいただいた企業様に対して、次の事を必ず行います。 ① フランチャイズ本部設立のステップの説明 ② 現在の事業にまつわるシーズの確認 ③ FCカウンセリングチェック(約30項目:既存FCチェーン以外の場合) ④ フランチャイズビジネスの可能性算定(5つの要素に対するスコアリング) そして ⑤ 本気度の確認 特に⑤の本気度確認は重要です。 私共では、ある程度話が進んでフランチャイズ事業に乗り出す、、、と決まった段階で 「本気度確認書」 なる確認書に署名捺印を頂くことにしています。 また、その企業が保有するシーズは素晴らしいものがありました。 冒頭にもあるように、某県内に古くから住んでいる人なら必ずと言っていいほど知っている「知名度(ブランド)」と、一度は食べたことがあろう「味(優位性の高い商材)」を持っているからです。 ※ 他に、独自の製法、独自のデリバリーシステム(県内のみ)等も保有 おまけに、フランチャイズビジネスの可能性に至っては89ポイント(80ポイント以上であればOKと判断)。 フランチャイズ化については申し分ない条件がそろっていました。 そのスコアを見てオーナー様は俄然乗り気満々になり、1年後にはフランチャイズチェーン化という目標を掲げ、タイムスケジュールも策定したのです。 ※ 直営店数店舗からフランチャイズ化する場合、最低8ヶ月間以上の準備期間が必要。 それからは毎週のように打合せを重ね数か月が経過したので、オーナーに「本気度確認書」への署名捺印をお願いしたのですが、、、、 ここまで書いたら顛末は想像できると思います。 結局、「本気度確認書」への署名ができず、その話は振出しに戻ってしまいました。 では、これだけの条件がそろっているにもかかわらず、何故オーナーは「本気度確認書」への署名ができなかったのでしょう? 確かに経営内容に一抹の不安があったのは事実(類似の競合店が県内に進出しつつあった)ですが、それは問題の本質ではありませんでした。 あまり詳細については書けないのですが、簡単に言ってしまうと ・他の取締役の同意が得られなかった (といっても一名の取締役だけが猛反対) ・オーナーの右腕となってFC事業を任せられる人材が不足していた (私はそうは思いませんでしたが) ・前に一歩踏み出す勇気がもう一つ足りなかった こんなところです。 「なんだ、そんな事か?」 と、お感じになるかもしれませんが、結局、最後はTOPの決断力なのです。 こう言ったことは、なにも数店舗の中小企業だけに当てはまるものではありません。 全国に数百店舗を有する知名度の高い企業においても、似たり寄ったりの状態で新しい事業形態(今までと違ったFC形態)に踏み出すことができず、断念した経緯もあります。 企業経営には慎重さが求められるのは最もですが、次のステージに飛躍するためには、TOP自ら英断できる勇気を持つ事が必要なのだと思います。 ※ 決断できないTOPの姿は嫌というほど見てきました。 変化対応 時代の変化に合わせイノベートできる企業だけが、競争に打ち勝って成長できるのでしょうね。(偉そうなことは言えませんが、、、汗) |